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川手 鷹彦

2016年6月 北京 森の学校

かつて出版関係に携わり、現在は子どもを自然のなかで育むことに興味をもった若者たちを中心に開設された学舎。
休暇中、特に夏季休暇中の子どものための自然体験塾を中心に活動しているが、大自然との触れ合いの中、あるいはその傍らに藝術的要素が盛り込めないかという問いに答えるために招かれた。
教師・スタッフのほとんどが20代で、やる気と希望に満ち溢れている。
このような世代が深く藝術のことを理解しようとする態度には好感が持て、できる限りの心の陶冶をして差し上げたいと思った。
わらべた、ものがたり、演劇を実技と理論で学び、しばしばそれらのテーマを掘り下げるための議論をした。
山の中にある学校で、美しい自然である。
カンボジアの旅で育成しかけている
《大自然との触れ合いによる感覚の研磨》
をここでは更に深化・発展させることができた。
受講生の強い希望により、これまで川手が出会ってきた子どもらと事例について語り、闊達な質疑応答があった。

主催グループのひとりの女性から質問があった。
《感覚を磨くことで、子どもたちの内面がわかる》
を具体的に説明して欲しい。
実は私は彼女のことを観察していた。
グループリーダー(学舎の代表)の右手となり、細やかな配慮をしていたからである。
彼女の身のこなしや表情から、彼女が水の事故を体験していることが推し量られた。
豈図らんや、彼女の故郷は大河の畔にあり、水の事故について触れると彼女は涙を流した。彼女は浄化のプロセスにはいった。
この小さな事件で、代表を始めとする「若き能力者たち」は、
《感覚を磨いて人の心の裡に分け入ること》
を知った。



川手鷹彦


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