2016年5月 カンボジア合宿
旅の主な内容は、子どもの教育に携わる参加者が感覚を研ぎ澄まして繊細な子どもら、特に「広汎性発達障害/自閉症スペクトルム」の子どもらの感覚を追えるようにすること…
そのために、二つの方法を選択した。
第一番目の方法は、抒情詩の呼吸・子母音の響き・リズムを正確に把握することを通じて、自らの感覚を磨く。
第二番目の方法は、アンコールワットの森に出かけ、大自然に極めて深く接近し、動植物と触れ合うことを通して、自らの感覚を磨く。
そのほか関連して学んだことは、以下の通り:
・漢詩、特に五言絶句の持つ韻の役割と意義について
・あえて謎めいた言葉で言うなら「韻の背後には色の亡霊が存在する」
・わらべうたによる感覚の研磨
なぜ子どもらはわらべうたを楽しむのか、という問いに答える試みを基盤に、実際にわらべうたを創作した。
この体験をもとに、本旅行の一番の目的である言語造形テキストへの創作へと遂に向かうことができたのである。
少人数の旅であった故に、集中して中国の言語精神に耳傾けることができた。また、アンコールワットの森はたおやかで、生命力豊かであり、古の人々が大自然と共生していたことの大切さを改めて感じたことである。
最後に、アンコールワットを始めとするクメール王朝遺跡群を訪ね、深い藝術的インスピレーションを受け取ったことは、言うに及ばない。
川手鷹彦